中小企業のIT資産管理入門|PC・ソフトの「見える化」で防ぐ3つのリスク
「会社にパソコンが何台あるか、すぐに答えられますか?」――お客様先でこう伺うと、正確に答えられる経営者様は意外と少ないのが実情です。誰がどのPCを使い、どんなソフトが入っていて、いつ買ったものなのか。これらを把握する取り組みが「IT資産管理」です。本記事では、IT資産管理を後回しにすることで生じるリスクと、今日から始められる第一歩をご紹介します。
IT資産管理とは?中小企業にこそ必要な理由
IT資産管理とは、会社が保有するPC・スマートフォン・サーバー・ネットワーク機器といったハードウェアと、OSや業務ソフトなどのソフトウェアを一覧にして、状態を把握・管理することです。
「うちは小さい会社だから必要ない」と思われるかもしれません。しかし、社員10名の会社でもPC・スマホ・複合機・Wi-Fiルーターなどを合わせれば、IT機器は30台近くになることも珍しくありません。台数が少ないうちに管理の仕組みを作っておくほうが、後からまとめて棚卸しするよりずっと楽なのです。
IT資産を放置する3つのリスク
管理されていないIT資産は、次のようなトラブルの火種になります。
リスク1:サポート切れ機器からの情報漏えい
把握されていないPCは、OSの更新が止まったまま使われがちです。サポートが切れたOSは新しい脆弱性が修正されないため、サイバー攻撃の入り口になります。「倉庫の隅で使っていた古いPCが感染源だった」というケースは実際にあります。
リスク2:気づかぬうちのライセンス違反
業務ソフトには利用台数などの契約条件があります。管理台帳がないと、「1台分のライセンスを複数のPCに入れていた」といった違反に気づけません。悪意がなくても、発覚すれば追加費用や信用低下につながります。
リスク3:ムダなコストの垂れ流し
使っていないソフトの月額料金を払い続けていた、退職者のアカウントが残っていた――これも「見える化」されていない会社でよく見つかるムダです。IT資産管理はセキュリティ対策であると同時に、コスト削減の第一歩でもあります。
今日から始めるIT資産管理の3ステップ
特別なツールがなくても、まずは次の3ステップで始められます。
- ステップ1:台帳を作る Excelで十分です。機器名・型番・購入日・使用者・OSバージョン・設置場所を一覧にします。
- ステップ2:ソフトとアカウントも棚卸しする 各PCに入っているソフト、契約中のクラウドサービス、アカウントの利用者を書き出します。
- ステップ3:更新のルールを決める 購入・廃棄・入退社のたびに台帳を更新する担当と手順を決めます。台帳は「作って終わり」が一番もったいないパターンです。
台数が増えてきたら、資産情報を自動で収集してくれるIT資産管理ツールの導入も選択肢になります。ただし、まずは手作業でも「全体像を把握すること」が先決です。
まとめ:まずは「何があるか」を知ることから
IT資産管理は地味な取り組みですが、セキュリティ・コンプライアンス・コストのすべてに効く、いわば会社のITの健康診断です。まずは台帳づくりから始めてみてください。
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