脱PPAPのすすめ|パスワード付きZIPをやめるべき理由と安全なファイル共有方法

セキュリティ 2026年7月27日

「ファイルをZIPで暗号化して添付し、パスワードを別のメールで送る」。このやり方、今も社内のルールになっていませんか? 実はこの方法は「PPAP」と呼ばれ、政府機関や大手企業では既に廃止が進んでいます。この記事では、PPAPがなぜ危険なのか、そして中小企業でも無理なく移行できる安全なファイル共有の方法を解説します。

PPAPとは?なぜ「脱PPAP」が進んでいるのか

PPAPとは「PasswordつきZIPを送る、Passwordを送る、Aん号化(暗号化)、Protocol」の頭文字を取った俗称です。長年「セキュリティ対策の定番」とされてきましたが、2020年に内閣府・デジタル庁が廃止を表明して以降、多くの企業が追随しています。

一見安全そうに見えるこの方法ですが、実際にはほとんど効果がありません。

パスワード付きZIPが危険な3つの理由

理由1:同じ経路で送るので意味がない

ZIPファイルとパスワードを同じメールの経路で送るため、メールを盗み見できる攻撃者は両方とも入手できてしまいます。玄関の鍵を閉めて、その鍵をドアノブに掛けておくようなものです。

理由2:ウイルスチェックをすり抜ける

暗号化されたZIPの中身は、メールサーバーのウイルス対策ソフトが検査できません。この仕組みを悪用して、ウイルスをパスワード付きZIPに入れて送りつける攻撃(Emotetなど)が実際に多発しています。つまりPPAPは、守るどころか攻撃の入り口になり得るのです。

理由3:誤送信の防止にならない

宛先を間違えた場合、多くの人はパスワードのメールも同じ宛先に送ってしまいます。これでは誤送信対策としても機能しません。

中小企業でもできる安全なファイル共有の代替手段

では、どうやってファイルを送ればよいのでしょうか。中小企業でも導入しやすい方法を3つご紹介します。

  • クラウドストレージの共有リンク:Microsoft 365(OneDrive・SharePoint)やGoogle Workspaceなら、リンクの有効期限や閲覧権限を設定してファイルを共有できます。既に契約済みなら追加費用ゼロで始められます。
  • ファイル転送サービス:法人向けのファイル転送サービスを使えば、送信ログの管理や誤送信時の取り消しも可能です。
  • 取引先との共有フォルダ:やり取りが頻繁な取引先とは、専用の共有フォルダを設けるとメール添付自体が不要になります。

ポイントは「メールとは別の経路でファイルを渡す」こと。これだけで、PPAPの弱点をまとめて解消できます。

移行時の注意点

脱PPAPを進める際は、ツールの導入だけでなく社内ルールの整備が大切です。「どのサービスを使うか」「共有リンクの有効期限は何日にするか」「取引先から届くパスワード付きZIPはどう扱うか」を決めておきましょう。取引先には「弊社は脱PPAPに取り組んでいます」と一言案内するとスムーズです。

まとめ

パスワード付きZIPのメール送信は、もはやセキュリティ対策とは言えず、むしろウイルス感染の入り口になるリスクがあります。クラウドストレージの共有リンクなど、今ある環境で始められる代替手段への切り替えを検討してみてください。

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