偽セキュリティ警告(サポート詐欺)の対処法|「ウイルス感染」画面が出ても電話してはいけない理由

セキュリティ 2026年8月6日

パソコンで調べものをしていたら、突然けたたましい警告音とともに「ウイルスに感染しました」「今すぐサポートに電話してください」という画面が表示された――。この画面、実はほぼ100%偽物です。「サポート詐欺」と呼ばれる手口で、いま相談件数が急増しています。この記事では、偽セキュリティ警告の見分け方と、画面が出てしまったときの正しい対処法を解説します。

サポート詐欺とは?いま被害相談が急増中

サポート詐欺とは、ウェブサイト閲覧中のパソコンに偽のウイルス感染警告を表示し、画面に記載された電話番号に電話をかけさせる詐欺です。電話をかけると「サポート契約が必要」などと有償サポートを持ちかけられ、クレジットカードや電子マネーでの支払いを要求されます。さらに遠隔操作ソフトのインストールを指示され、パソコンを乗っ取られてしまうケースもあります。

IPA(情報処理推進機構)の発表によると、2026年4月〜6月に安心相談窓口へ寄せられた「ウイルス検出の偽警告」の相談は1,428件。前の四半期から約24%増え、手口別で最多となっています。決して他人事ではなく、会社のパソコンでも従業員が遭遇する可能性は十分にあります。

なぜ偽物だと言い切れるのか

理由はシンプルで、マイクロソフトなどの実在企業が、警告画面に電話番号を表示して電話を求めることはないからです。本物のセキュリティソフトの検知画面にも、サポートへの電話を促す表示は出ません。

偽警告は、全画面表示で他の操作をできなくしたり、大音量の警告音やカウントダウンを流したりして、「考える余裕」を奪うのが特徴です。有名企業のロゴを使っていても、見た目がそれらしくても、「画面に電話番号+電話を要求」の組み合わせが出たら詐欺と判断してください。

画面が出たときの対処3ステップ

ステップ1:電話しない・クリックしない

まずは何もしないことが最善の対応です。表示された番号には絶対に電話せず、画面内のボタンもクリックしないでください。警告音が鳴っていても、パソコンが壊れたわけでも、実際に感染したわけでもありません。

ステップ2:ブラウザを終了する

全画面表示で閉じるボタンが見えない場合は、キーボードのEscキーを長押しすると全画面表示を解除できます。その後、右上の「×」でブラウザを閉じてください。閉じられない場合は、Ctrl+Alt+Deleteキーからタスクマネージャーを開き、ブラウザを強制終了します。IPAは偽警告画面の閉じ方を練習できる体験サイトも公開しているので、社内研修で一度体験しておくのもおすすめです。

ステップ3:再発するならブラウザ設定を確認

ブラウザを開き直すと「ページの復元」を促されることがありますが、復元すると偽警告が再表示されるため復元しないでください。繰り返し表示される場合は、ブラウザの通知許可設定に見覚えのないサイトが登録されていないか確認し、削除しましょう。不安であればセキュリティソフトでスキャンすれば十分です。

電話してしまった・操作してしまった場合

もし電話をかけて指示に従ってしまった場合も、慌てずに次の対応をとってください。

  • 遠隔操作ソフトを入れてしまった:すぐにネットワークを切断(LANケーブルを抜く・Wi-Fiをオフ)し、指示されてインストールしたソフトをアンインストールしてください。
  • お金を支払ってしまった:クレジットカード会社に連絡して停止・取り消しを相談し、警察相談専用電話「#9110」や消費者ホットライン「188」にも相談してください。
  • パスワード等を教えてしまった:該当するアカウントのパスワードを、別の安全な端末からすぐに変更してください。

会社のパソコンで起きた場合は、本人を責めずに済むよう「遭遇したらすぐ報告してもらう」ルールにしておくことが、被害を最小限に抑えるポイントです。

会社としてやっておきたい2つの備え

備え1:従業員への周知

「画面に表示された電話番号には絶対にかけない」。この一文を全員が知っているだけで、サポート詐欺の被害はほぼ防げます。朝礼や社内チャットでの共有、この記事の回覧でも十分です。

備え2:報告・相談先を決めておく

「何かあったら○○さんに連絡」という窓口を決めておきましょう。IT担当がいない会社では、外部の相談先(当社のようなITコンサルや、IPAの相談窓口)を掲示しておくだけでも、従業員が一人で判断して被害に遭うリスクを減らせます。

まとめ

突然の「ウイルス感染」警告と電話番号の表示は、サポート詐欺です。電話せず、Escキー長押しやタスクマネージャーでブラウザを閉じれば、それで解決します。いま相談件数が急増している手口だからこそ、従業員全員への周知と報告ルールづくりを進めておきましょう。

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